このブログは、ショートカット大好き玄人さん向けの内容です。
一般の方にはちょっと小難しいです^^;
読むのに5分以上かかります。


Youji yamamotoの衝撃 

私は19歳の時、南青山の[Youji yamamoto]の店に入って試着した時のことが未だに忘れられません。

youji yamamotoの黒のロングのウールコート

*画像はイメージです。

お金なんて全然ない。カジュアルな服が中心だった当時、よくYoujiの店に入ったなあと回想します。すごい勇気あるでしょ。勇気というよりただの世間知らずでしたが….
  

目に飛び込んできたのはスタッフの容姿。 50歳は超えておられるベテランの女性スタッフがいたんですね。 腰まである髪の長さで、根元から毛先までスパイラルのパーマがかかってて。しかも白髪率50%ぐらいだった。   メチャクチャカッコよくて….

しかも当たり前ですが、全身黒尽くめのYoujiの服でしょ。当時初めてみた50歳ぐらいの女性の方でした。  

話しかけられることもなく、遠くからナンとなくみられてる感じ。居心地なんて最悪。でも試着してやった! 黒のウールのロングコートをね。根性あるでしょ。所持金4-5万円でね。W(当時、Youji yamamotoがどんなブランドかわかってなかった!)

  で、 着心地がとっても軽くて! またデザインに陰影があって立体的で、 当時ガリガリだった僕の体を補正してくれてるというか超超ステキで! 「デザインと機能性を両立したコートがあるんだ!」  

値段見たら、

¥27,000 安!!

 

 

値札見直したら……      

¥270,000 !!

 

 

だよねーーー。  

心の中で「早く店を出たい。この場で試着していることが恥ずかしい^^;』「僕なんかが試着してごめんなさい」って感じで。   「お世辞で、また来ます。」なんて、とても言えず…..19歳の衝撃でした。

この体験から立体的なものに対して、深い造形美への考察が始まりました。

もちろん、カットでね….. 

ショートカットで後頭部をボリュームアップさせる方法

3つの”凹凸”デザインの共通点

これら3つの共通点を髪型に取り入れられたら…. あなたのヘアスタイルの見え方が変わるかも。ちょいと、世の中のデザインを考えてみましょ。

1.顔の凹凸

欧米人の骨格

アジア人と欧米人の横顔を見比べれば明らかに違います。 欧米人の顔って、ホリが深い。鼻が高くて目が引っ込んでる。奥行きがある。凹凸な立体的デザイン!メイクしづらそーだけど。

2.靴の凹凸

クリスチャン・ルブタンのハイヒール

クリスチャン・ルブタン、ジミー・チュウ….好みはあるでしょうが….

ヒールが高くてつま先が低い凹凸がある。素敵だけど、1日履いたら疲れそー。 ルブタンは自分の足の形をルブタンに合わせないと履けないぐらいのもの。靴の形を人に合わせようなんて概念がない?合わない人はごめんなさいみたいな。 それでも形にこだわって立体的!

3.車の凹凸

フェラーリ458

フェラーリはボディの凹凸がとっても立体的。量産できない車?

止められる駐車場をあらかじめ探しておかないといけないぐらい車幅が広く、駐車場の段差にボディーのシャーシを擦ってしまうぐらい車高が低い。 でもその低さがボディーの陰影・奥行きを際立たせてる。

東京までフェラーリで旅をする。疲れそー。

この3つのデザインから見える凹凸をヘアスタイルに落とし込んで考えてみよう。

サイドから見たショートヘア

ショートカットの凹凸

襟足を締めて、後頭部のボリュームを際立たせる。凹凸を作ってる。

サイドの長さをできるだけ短くして、軽くして厚みを削ってトップのボリュームを際立たせる。 立体的でかっこいいけど、マメにカットしないと崩れてくる^^;

後頭部のボリュームが欲しい人は、凹凸な立体的デザインが欲しい?   人の脳は、立体的なものを先天的に好みます。「立体的なものがステキ!」とは思わないんですね。  

では”後頭部のボリューム”をヘアスタイルで叶える方法は全部で3つ。   カット・パーマ・カラーで、この立体的なデザインにするためのそれぞれの方法があります。このブログでは、カットにフォーカスしていきます。

ショートカットの凹凸

サイドから見たショートヘア

 

襟足を締めて、後頭部のボリュームを際立たせる。凹凸を作ってる。

サイドの長さをできるだけ短くして、軽くして厚みを削ってトップのボリュームを際立たせる。 立体的でかっこいいけど、マメにカットしないと崩れてくる^^;

後頭部のボリュームが欲しい人は、凹凸な立体的デザインが欲しい?   人の脳は、立体的なものを先天的に好みます。「立体的なものがステキ!」とは思わないんですね。  

では”後頭部のボリューム”をヘアスタイルで叶える方法は全部で3つ。   カット・パーマ・カラーで、この立体的なデザインにするためのそれぞれの方法があります。このブログでは、カットにフォーカスしていきます。

ショートカットの展開図

立体的に魅せる骨格補正

設計図ならぬ、展開図っていいます。ゲストのカルテに毎回記録を取っているんですね。

この展開図、とっても大切なコトが抜けてます。立体的にするために、見る角度を変えなければなりません。

立体的に魅せる骨格補正

ショートカットの展開図

 

設計図ならぬ、展開図っていいます。ゲストのカルテに毎回記録を取っているんですね。

この展開図、とっても大切なコトが抜けてます。立体的にするために、見る角度を変えなければなりません。

骨格を上から見る

日本人と欧米人の上から見た場合の骨格の違い

A=典型的な日本人

B=骨格が素敵な日本人

C=欧米人

わかります?欧米人の凄さ!横に長いってことです。

日本人の95%(感覚値)は、Aの骨格なんですね。

比較すると、

日本人と欧米人の骨格の違い

破線がC=欧米人の骨格なのね。全然違うよね!

Aの骨格の人を、カットでCの骨格の人に近づけたいんですね。

サイドから見たショートヘア

 

このスタイルを横から見た展開図に落とし込むと、

ショートカットの展開図

 

後頭部のボリュームをだすためには、骨格補正を効かせなければなりません。そのためには、上から見た場合のアプローチがとても大切になってきます。

上から見て、ひし形を意識する

1

欧米人は奥行きがあるので(↓)同じ長さでカットすれば、素敵な骨格がそのままカットラインに現れる。だから、頭の形がキレイに見えるのね。

バックセンターから耳後ろまでを同じ長さでカットされた展開図

2

骨格補正が必要な人が同じ長さでカットすると…

骨格補正がされていない展開図

よろしくない骨格どおりにフォルムができちゃう。それはダメでしょ。
同じ長さで切っちゃだめなわけ。

3

じゃ、どうするかって言うと欧米人の骨格を意識して各パネルの引きだす角度を変えたいのね。 耳の後ろほど短いでしょ。

骨格補正がされているものとそうでないものの対比の展開図

4

これぐらいまで、耳後ろを短くしていくこともあります。

耳後ろを極端に短くして補正した展開図

5

サイドも同様に切り進めます。

サイドまでの展開図

6

左側が補正のカットライン。右側が欧米人の同じ長さのカットライン。

左側が補正ラインで右側が非補正ラインの展開図

欧米人って、簡単なのね。同じ長さで切って、適当に軽くすれば素敵なフォルムの出来上がりなわけ。 注目してほしいのは水色線の髪の長さ。左側の補正済みの長さのほうが長いでしょ。これが骨格補正です。

襟足を締めるとボリュームが強調される

よくゲストから言われることなんだけど、「トップにボリュームが欲しいから後頭部を短くしたい」というのは、
素敵なフォルムが作れない場合が多々あるのね。

後頭部のボリュームを協調させたいのに、襟足の締まりがないとメリハリがないというか…

”襟足が締まっている”ってこういう感じ。

後頭部にボリュームのあるショートヘア

後頭部にボリュームを協調させるために襟足を締める。全部膨らましちゃダメなんですね

実は、この下画像のスタイルは日本人は難しいんです。(^_^;)。

サイドから見たショートヘア

後頭部の長さに対して襟足が長いのね。
この襟足の髪、見た目より長いの。


これができる日本人は、そうはいない。
アジア人は、襟足の生えているゾーンがとても下まであるの。

そこからこの画像のように長い襟足にすると、もうウルフスタイルになってしまいます。

サイドの骨格補正

両サイドの骨格補正におる長さの違いがある展開図

今度は顔側の水色線を見比べて!

左側の補正が必要なほうが短いでしょ。今回のデザインの場合は、後ろの考え方と相反するベースカットの長さの設定です。


後頭部を補正したいから長さを求めてるのに、顔側を補正する場合は長くない。
むしろ短いよね。

ボリュームアップのための毛量調整カット

凹みを作って凸を際立たせる毛量調整って感じ。 凹みが量を減らすことを指し、凸がボリュームアップして見える。 ここからが超重要で、まだ毛量調整(量を減らす)してないのね。

1

最終的に見せたいシルエットのイメージは、上から見ても「ひし形」なわけ!

両サイドの骨格補正におる長さの違いがある展開図

2

バックセンターと顔付近の水色線あたりの量を特に減らしちゃダメなわけ!

 

バックと顔まわりの補正による長さの違う展開図

3

水色の斜線部分を多めに量を減らしちゃうとシルエットが凹むわけね。 素敵にならないの。

毛量調整域の展開図

4

  • 絶壁の後頭部の人
  • こめかみ付近の骨格がへこんでる人

この水色部分を減らすのはNGなのね。 間違っても水色の斜線部分を減らしすぎちゃいけないわけです。 ここを結構、すかれてるケースをご新規で見かけます。  

ピンクのゾーンは結構、すいちゃう。へこませたいからね。 減らしちゃいけないゾーンがあるなら、それを回避する方法が….

毛量調整域の展開図

それは、乾いた状態でシルエットを見ながら減らすってこと。
水色のゾーンをよく見ながら量を減らすわけ。

濡れたままだとその見極めができないんです。早くやるなら濡れたままやったほうが効率的。パーマのときなんかが特にそう。 


・ベースカット⇒毛量調整⇒パーマ⇒早い
・ベースカット⇒完全ドライ⇒毛量調整⇒パーマ

⇒完全ドライの時間分、長くなってしまう。

ここポイントで、1ヶ月後にどういう伸び方をするか?って話なのね。ベースカットでしっかり作り込んでおくと伸び方が崩れにくいメリットがあるんです。

横から見ても上から見ても、”ひし形”にしよう

横からひし形

横から見た場合のひし型シルエットんおショートスタイル

上からひし形

上からみたひし形の展開図

カットで補正が効かせやすい長さ

サイドの長さが耳たぶからリップラインぐらいの長さぐらいのヘアスタイルが、骨格補正が最も効かせやすいんです。

ミディアムやロングヘアをカットで補正ができる人は、毛量が多い人です。髪が細い人・少ない人は、パーマカラーの力を借りてカットを補わなければなりません。

これらの人はパーマをかけよう

 

 

 

1. 

毛量が少ない人

前下がりのスタイル、あるいは前下がりウエイトラインのスタイルが好きな人、補正に限界があります。
耳後ろを短くできないから。

2. 

襟足の毛がとっても下まで生えてる人

襟足をあまり短くしたくない気持ちは理解できるんですが、補正に限界があります。オススメは襟足の毛を永久脱毛しちゃうこと。生えてる毛のエリアを欧米人並みに高い位置にしちゃう。かなり有効な手段です。

3. 

毛根が寝ている生え方の人

頭皮に平行かと思われるぐらいに毛根が傾いた状態で生えている人、こういう人は大抵、髪が細く量が多くはない。 例えるなら、幼児みたいな髪の人。毛量が多ければなんとかなりますが、長ければ長いスタイルほど、残念ですが骨格補正の度合いが薄れていきます。 補正しきれないんです。

1-3の人は、カットに限度があることにご容赦を。トレンドから離れれれば可能ですが、古臭くなって年齢が上がっちゃう可能性があります。

パーマをかけてカットの補正を助ける必要がありあます。今ってAラインのシルエットが全盛ですからね。

(2019年現在)

P.S.

Youjiの服を試着した時、「デザインと機能性って両立するんだ!」って初めて感じた瞬間でした。  

メイクアップ・ルブタン・フェラーリ・ショートカット…… デザインを追うと機能性や耐久性、維持するための時間や経費……..何かを得ようとすると何かを失う。 デザインと機能性の両立こそが、デザインに関わる仕事をしている人の最大のテーマなんです。  

髪も同じ。

ショートヘアでとってもふわっとしたツヤのある素敵なパーマスタイルが、太陽の光で透き通るような透明感をかもして。 髪が風に吹かれて動いて……  

  • その女性は、ヘアカラーで立体的に見せるため、ハイライトで明度対比を取り入れて多色使いにしている。
  • その女性は、柔らかさを出すために、骨格補正したカットをより強調させるためにクリープパーマで”緩ーく”かけてる。
  • その女性は、寝グセをリセットするために、毎朝シャワーを浴びてドライヤーをかけてスタイリングしてる。  

 

もしこのブログを読んでいるあなたが男性なら、女性に敬意を払ってこう言いましょう。

「今日もショートカットが素敵です!」ってね。

ここまで読んでいただきありがとうございます。 なるべく短文を心がけます^^;

 

 

 

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